君に会いたくて
入学式を三日後に控え、僕は大学の寮に入った。
キャンパスは、中心部より離れていて、周囲は緑に囲まれていた。僕は少しホッとした。故郷のミンスク村に似ていたからだ。来て早々、どうやら僕はホームシックに陥っていたようだ。
指定された部屋へ入ると、ベッドが二つあり、黒髪の小柄な学生が座っていた。
「やあ」と彼は立ち上がった。
「同室のステファーンだ。よろしく」
差し出された手を握り返しながら、
「こちらこそ、よろしく。キリルだ」
と挨拶した。
荷物を片付けながら、僕らは色んな話をした。
故郷の村の話、互いの専攻の事、将来の夢など。
元々数着の着替えと本くらいしか持ってきていなかったので、片づけはすぐに終わった。僕が一段落ついたのを見計らって、ステファーンが言った。
「なぁ、知ってるか? 今年の新入生には、〝ジェニィ〟がいるんだぜ。それも10人も!」
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