あんまり、アニメは観ないんですけど、
予告編みて、面白そう~と思って、観てきました。
『ヴァイオレット・エヴァー・ガーデン』です。
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』大ヒット感謝PV
京都アニメーションと言えば、昨年夏のあの大惨事があり、
どうしてもそこから頭が離れなくて、ついついお目こぼしをして
しまいたくなりますが、
ここはひとつ、作品としてどうなのか?
という視点で見てみたいと思います。
私、最初、この女の子は、ロボットだと思ったのですが、
生身の人間なんですね。
前編を通して感じる事は、彼女をとりまく三人の男たち、
しかも、全員、おっさんばかり・・・が、
彼女をまるでお人形さんのように扱うことが気になりました。
一人の人間として見ていませんよ。
なんだか、〝可哀そうな子〟みたいに見ているんですよ。
それがとても気になりましたね~。
普通、そんな視線で見られると、
「バカにしているッ!」と怒るものですが、
この子は感情がないという設定なので、
彼らおっさん等の意のままに振る舞いますね。
中佐と呼ばれる社長は、「ヴァイオレットちゃ~ん」と
気色悪く〝ちゃん〟づけだし、
もし、彼にこの子に対する恋愛感情があるのなら、
〝ちゃん〟づけはないわ~と思ってしまいましたが・・・。
少佐と呼ばれる人も(そもそも論ですが、
本当に彼ら軍人?なんか甘っちょろいな)、
訳の分からん論法で、逃げまくるし・・・
大体、船から落ちて、岸にたどり着くのは、
あの距離じゃ無理よ!と島出身の私などは
思いましたがね。
絶対沈む・・・。
しかもあんな重い義手じゃ・・・。
なんかすべてに疑問符が付く映画でした・・・。
全体的に甘い感じなのは、
あれかな?第七世代と言われる現代の風潮かな?
昔、「ドラマとは葛藤である」、
と習ったけど、
ほぼほぼ、葛藤がないもんな?
皆いい人で終わっちゃう。
そういう私も学生時代は、「いい人しか出てこない、ドラマ書きやがって!」
と講師の先生に睨まれたものですが、
その私から見ても、これは酷い!!
何、生ぬるいもん書いてんだよッ!!
とか思っちゃたりして・・・。
まあ、いいですけどね。
優しい時代到来って感じで。
一緒に見に行った、息子が見終わった後言った言葉、
「あれ、源氏物語の紫の上だろう?」と。
あ、そっか!!
気づかなかった~。
ヴァイオレットだし・・・。
やられた~と思いました。
だとしたら、もっと疑問もたなきゃ~!!
源氏の紫の上は、めちゃ、葛藤ありましたよ~、
源氏に愛されて。
〝気持ち悪ッ!!〟と思ってましたよ、
紫の上は。
父親と思っていた人が、自分をそんな目で見ていたことに、
少なからず、ショックを受けていましたよ。
息子は、これを女性たちはどう見ているんだと怒っていましたが。
「気持ち悪い」と思わないのかと。
だよね~とも思いましたが、
この全体を覆う、生ぬるい感じ・・・、
つまり、人間を深く見ようとしない視点には
無理だろうとは思いましたがね。
これが京アニの限界か?
はたまた日本のアニメの限界か?
でも、心に響く物を作って欲しいなぁ~、
葛藤を逃げないで・・・
とか思ってしまいましたがね。
おばちゃんの老婆心ながら・・・。
☆それでは今日もよい1日を。