トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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決められない

決められない
2007-11-28 12:48:47

テーマ:怒れる人
ここの所、夫のイライラが最高潮になってしまった・・・!

口を開けば、嫌味や皮肉を言う。

例えばこんな具合・・・。

洗い物をしている夫に、
「いいよ、あたしがあとでやるから」と声を掛けると、

「うん、俺は自分のしかやるつもりはないから」

と冷たく言う。


・・・・・・。

 

私はだんだん夫に話しかけるのがイヤになり、
しまいには、顔を見るのもイヤで、
そうして、ついには同じ部屋の空気を吸うのもイヤになってきた。


こんなことでは家の中が暗くなるなあ・・・と思って、
昨日は少し話せそうな雰囲気だったので、
話をしてみることに。


ちょうど病院へ行ってきたこともあり、
今の状態はどうなのか?
お医者さんはどう言っているのか?

そして、私はどうすればいいのか?


そういうことを話したかったのだが、
夫はうすら笑いを浮かべながら、
些細な言葉尻を捉えては、話をはぐらかす。


結局、「君は君、俺は俺でやっていこうよ」と言う。

つまり、私の支えなどいらない、ということだ。


さすがに、私もその言葉を聞いて
「もうダメだ・・・」と思ってしまった。


もう夫には私の言葉が通じないし、
こちらは逆に夫の言葉で傷つけられているのだもの。


こんなに私の言葉にイライラする、
私の存在にイライラするのなら、
いっそ別れた方がお互いのためにいいのかもしれない・・・と
思ってしまった。


ちょうど新聞で
「その後のツレがうつになりまして。」という本の広告を見たので、
何か参考になるかも・・・と思って購入した。

「その後のつれがうつになりまして。」


私は普段新聞を読まないので、こんな本がでていることを知らなかったのだが、
まさに、ウチの夫のことが書いてあって、びっくり!


今までは、うつに関する本も読んだことはあったけれど、
大概がお医者さんの書いた本で、
「んなことできるかっ!?」的な内容が多かった。


これによると、著者のてんてんさんの夫は、
うつ病になった時に、頭にアンテナが立ち、
それでいろいろと嫌なことを察知するそうな・・・。

(おおーっ!!まさにウチのダンナだわ~。
些細なことに切れてしまう)


そして何故か坊主に・・・。

(これもまさしくおおーっ!!
うつ病の人は皆、坊主になってしまうのかしら・・・?
この本には、坊主だから、仕事しなくてもいいという
言い訳にしているらしい)


そして、前に住んでいた場所を見に行ったりしていたそうな。

(これも同じ~・・・!!ウチの夫も子どもの頃
住んでいた場所を見に行っていた)


・・・・・・。


その他も色々あてはまることがあって、
まさしく今の私の気持ちを代弁しているような本だった!
(もっと早くに出会うんだった・・・!)

 

ウチは発症してから、もう八年も立つので、
だんだんと慣れてきて、
これが夫だと思っていたのだけれど

(八年経つと、元の性格がどんなだかも忘れてしまう。
もう最初っから、こんな嫌味な性格だった気にもなってしまう)、

これは病気のせいだったんだ!と
改めて気づかされた。

(かといって、私がこの八年間に受けた言葉の暴力や
態度が消えるかというと、それはまた別の問題だけど)

 


この本を参考に、もう少しがんばってみるか・・・と
考え直していた矢先、夫が、
「ちょっといいかな?」とやってきた。


いろいろと話し合う中で、夫が言うには、

自分の問題は、すべて


「決められない」ということに発しているというのだ。


自分は今まで、物事を

「決めない」という態度で生きてきた。

それは自分には「決められない」からだ。
(自分が決めようとすると三ヶ月はかかると―)

仕方ないから、決めないという態度でいると、
周りに巻き込まれながらなんとかなってきた。

 

でも人生は決断の連続だ。

仕事でも日常でも・・・。

だから「決められない」自分は、
上手くいかなくなり、
病気になってしまったんだと言ったのだった。


・・・・・・。

 

私は唖然としてしまった・・・。

何故なら夫は今まで、こんな風に
自分の気持ちを語ったことがなかったからだ。

 

私が聞いても、無視するか、「知らん」と
逃げてばかりいたのだ。


でも、きちんとこんな風に自分の気持ちを言えるなんて・・・。
私は感動すら覚えていたのでした。

 

自分の気持ちを語る―
というのは、
きちんと自分に向き合えているということだ。


私は今まで夫は分かってはいても、
言えなかったんだなあ・・・と
改めて思ってしまった。

そして言ってくれて本当に良かった!と思った。
(私はそういう本音が聞きたかったのだ!)

 

夫は日記をつけているという。

そこには私の悪口もいっぱい書いてあるという。


・・・・・・。


でも、まあ・・・、
いいじゃん、いいじゃん!


私がここで、夫の悪口を書いて、発散しているように、
夫も私の悪口をたくさん言って、
発散して欲しいと思う。
(口でじゃなくて)

 

ああ・・・本当にうつ病患者と付き合うのは、
時間がかかりますね。


たった一つの言葉を聞きだすのにも、
こんなにもかかってしまう。


だけれど、長い時間を掛けて
ようやく出てきた言葉というのは、
それだけの価値があるのだと思います。


「決められない」


このことが夫をずっと苦しめていたなんて・・・。


この言葉の重みを私は今、噛み締めています。

 

 

 

 

 

本当にお世話になった本です。

ほかのうつ病の本には、患者がいかに大変かとは

書かれてありますが、患者の家族の大変さは、

書いてなかったですものね。

 

あるのは、ただ、

〝受容しなさい〟で、

こちらだって、頑張って、〝受容〟してるよー!!

と叫びたかったですね。

 

なんかできもしないことを人に説教する、

宗教者のよう感じていましたよ、あの頃の私は。

 

「なら、お前やってみろよ」と斜めに見ていましたね、

世間を。

 

そんな中で、我々患者家族を救ったのが、この本だったと思います。

けれど、この〝決められない〟というのも、うつ病の人の特徴だったのでは

なかったかと思います。

 

ずっと〝決められな〟かったので、私が決めることになり、

それはそれで大変で…。

 

今読み返すと、あれやこれやと辛かったことを思い出してしまいました…。

 

(もう、しんどい…)

 

 ☆それでは今日もよい一日を。