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入院するということ

入院するということ
2007-12-29 10:14:25

テーマ:怒れる人

 

うつ病のことを実は何も知らなかったことに気がついた私は、
少しこの病気について勉強してみようと思っている。

 

うつ病って何だ?と言われて、
パッと答えられる人がいるでしょうか?

 

なんとなく、
やる気がでない、
とか、

 

体が言うことを効かない、
とか、

 

医者に「うつ病です」と言われたとか、
そんな人が多いのではないだろうか?

 

うつ病と普通の人との境目って何だろう・・・?
そもそもうつ病ってどんな病気なんだろう・・・?

そう思ったからだ。

 


そこで
「私、精神科に入院していました」西野桜 著

という本を読んでみた。

 

これは著者の西野さんがうつ病を発症して、入退院を繰り返すこと、
10年!—そのありのままの姿を綴った本だ。

 

私はこの本を読んで、ビックリ!してしまいました。

と、言うのも、ウチの夫が最初の女医から
「このままでは入院ですよ」と言われた言葉が、
そっくりそのまま書かれてあったからだ。

 

ええっ!?

これって医者のマニュアルなの・・・?

 

と思ってしまいました。

 

結局のところ、現代医学ではこの「うつ病
に対する、根本的な治療はなく、

「薬」で症状を押さえるか、

それでもダメなら、「入院する」ということになっているようだ。

その時の患者の意識としては、

 

入院して、きちんと治す

 

ということなのだが・・・。


作家の山本文緒さんも、「婦人公論」への手記に
そんなことを書いてあった。

 

「入院して、きちんと治したかった」

 

しかし、これがとんでもない誤解なのではないのだろうか・・・?

 

というのが、今の私の率直な感想だ。

 

山本さんも92年から、不眠症で悩んでいたと書いてあった。

92年と言ったら、ああた、もうかれこれ15年前の話しですぜ・・・。

 

15年もこんな状態でいるんですぜ・・・?
これって異常じゃありませんか?

 

普通の病気なら、これはもう治らない・・と
諦めて、次の手段を探すか、もうこれでいいや、と

そのままで生きていく、ということになるだろうに、

心の病という目に見えないがために、

 

治す—

 

ということに異常に執着しているかのように見えます。
(そこには必ず、治るのだという過信があるような気がします。)

 

しかし、この西野さんの本によると、
薬で最初劇的に治ってしまい、薬が効かなくなると、

 

もっと強い薬、もっと別の薬と、まるで薬物依存のように
なってしまうのです!

 

それでもダメなら、今度は医者から「入院しましょう!」と
あっさり言われて、精神科への入院となる。
(しかも、患者がはっきり決められない状態で、
ええ?ええ!?と思っている間に話しがどんどん決められてしまう!)

 

しかも最初は開放病棟で、比較的らくちんで、
こんなものかと思ってしまう。

 

つまり、何かあったら、今度はまた入院すればいいやと思わせてしまうのです。

 

薬 → 入院 へ

 

単に依存の対象が変わってしまっただけなのです。

 

しかも、良くなる傾向は見られずに、
入退院を繰り返し

(もちろん、社会的生活も出来ないので、仕事も辞め、
家事も育児も出来ないので、夫に全てを託し・・・)、

そんな廃人のような生活を余儀なくさせられるのです。

 

そんな状態がひどくなると、今度は自殺未遂へ・・・。

救急車で運ばれると、今度は閉鎖病棟への入院。

 

自殺企図があるということで、拘束服で縛られてしまいます。

・・・なんだかどこまでいってもエスカレート。

 

まるでブレーキの効かないジェットコースターに乗っているようです。


この西野さんが立ち直るきっかけとなったことは、
閉鎖病院へ何回か入院したあと、

 

「もう、ここへは戻ってこない!」と
誓ったことからなのです。

 

山本文緒さんも、

「小説が書けない私でも、いいじゃない?」と

 

思ったことが立ち直るきっかけになったと言っています。

 

つまりは、このうつ病という病から立ち直るのは、

自分の意志、考え方の変化なのだ、ということなのです。

 

けして、薬や入院でよくなる訳ではなかったのです。

むしろ、その入退院を繰り返すことによって、
そこまで追い込まれる精神状態になってから、

 

ようやく自分を認める、自分に気づく—

 

ということなのでしょう。

 

(つまりはそこまで追い込まれなければ、
ダメだということ・・・。怖いですが・・・)

 

そう思いました。

 

西野さんの本を読んでいて、

あまりにも医者が薬を簡単に処方するのに、
怒りさえ、覚えてしまいました。

 

まるで製薬会社の人体実験・・・。

これがダメなら、あれで。
あれがダメなら、今度はそれでと、

際限がないのです。

 

薬でうつ病を治せると思っているのです。

 

・・・そうです。

 

私は今では、うつは薬では治らない—と
はっきりそう思っています。

 

もし薬で治るのなら、8年も薬を飲み続けている
ウチの夫なんかはとっくに治っている筈です。

 

それが治らない。

 

普通なら、そんな薬は飲まないでしょう。

効果がないのなら。

 

それがまるで薬物依存のように、
手を替え品を替え、薬を飲ませされ続けているのです。

 

かといって、私は医者ではないので、
すぐに薬を止めなさいとも言えないのです。

 

現に、病院の予約をすっぽかして、

一週間薬なしで過ごした時の夫の暴言は
すざまじかったからです。

 

これは薬がなかったからか、
それとも、薬漬けにさせられて、
そのヤクが切れたためか—
私には分かりません。

 

今の所、薬に頼るしかないのが現状です。


しかし、それだけではない、
もっと根本的な治療が必要な気がしています。

 

西野さんの本を読んでみて、
あの時、医者から「入院」という言葉が出たけれど、
決断しなくて良かった・・・と心からそう思いました。

 

あの時、入院させていれば、
もっと早く治ったのかもしれない・・と思っていた
私の迷いは今度のことで消えました。


入院しても治る訳ではない。

うつ病は、ある意味、普通の病気とは違うのです。


薬でも治らない—

ならば、どうすればいいのか?

心の健康って何なのか・・・?

今、そんなことを考えているのです。

 

(あ、ただ、うつ病患者がものすごい怒りを抱えた人たちであることは、
このお二人の本からも読み取れました。ウチの夫の怒りもすごいですし・・・。
この辺りがもしかするとキーワードになってくるのではないかなあ・・・?
とは思っているのですが・・・。

いずれにしても、先は長そうです。
まあ、のんびりいましょうね)

 

 

 ※西野さんの本を探したのですが、

見つからなかったです。

確か、個人出版で出した本だったから、

見当たらないのか…。

 

もしよければ、図書館などで探してみてください。