「ここはどこだ?」
早川先輩はキョロキョロして言った。
私は、すぐに側に飛んでいった。
「先輩、大丈夫ですか?体調はどうですか?」
先輩は私の顔を見て、驚いて言った。
「あれ?お前、一年E組の、相沢真希?何でここに?」
私は嬉しくてバンザイをした。
「きゃー!先輩、私のこと覚えててくれたんですね」
先輩は眉をひそめた。
「ああ、お前、よく俺の後つけて家まで来てただろう?家族全員で気持ち悪りィな〜って言っていたんだよ。もう止めろよな。今度やったら警察呼ぶぞ」
「・・・・・・」
あー・・・、そうだったんだあ—。私が毎日先輩の後をつけたり、先輩の部屋を下から見上げたり、なんてことも分かっていたんだあ。
私はちょっとがっかりした。私が愛情の発露でやったことが、ストーカーと勘違いされていたなんて。
私はただ先輩が好きで好きでやったことだったのに・・・。
その時、パンパンと手を打つ音がして、
「はいはいはい、じゃああんた達、もう帰ってね。夜も遅いし」
と阿古屋さんが入ってきた。
「誰?このおばさん?」
先輩が聞いた。
「魔女の阿古屋さん、先輩を生き返らせてくれたのよ。先輩、今まで死んでいたんです」
「げっ!俺、死んでたのか?」
「そうなんです。だからあたしが頼んで、先輩を生き返らせてもらったの〜!」
最後は声が裏返ってしまった。
先輩が喜んでくれる感謝してくれるものと思っていたからだ。
乙女の祈りが届いたのよ〜と私は思ったのだが、意に反して先輩は舌打ちした。
「チッ!マジかよ〜、お前、余計なことすんなよ。俺、せっかく気持ちよくなっていたのによォ」
「・・・・・・」
え〜!?せ、先輩ってこんな人だったっけ?
私は唖然として、思わず阿古屋さんを見た。
つづく