「真希、何してるの?早くしないと学校遅れるわよ!」
母親の声がドアの外からした。
でも、こんな格好では出て行けない。
ど、どうしよう・・・。
私は側にあったバスタオルで髪を覆って出て行った。
そして、母親の部屋から鬘を拝借すると、それを被って登校することにした。
部屋を出るとき、ベッドの中で「俺も学校行く!」と唇を尖らせていた先輩に、
「ごめんなさい、先輩。どうか、この部屋で一日中大人しくしていてください」
と頼んできたけど、わかったかどうか・・・。
「えーっ!」という目つきで見ていたから・・・。
私は「ご飯は?」と聞く母親の声を振り切って、学校へと向かった。
つづく