翌朝、チロのワンワン吠える声で目を覚ました。
「なによぉ、チロ、うるさいわね・・・」と寝ぼけながら目を覚ますと、ギョッとした。
な、なんと、そこにはあどけなく寝ている先輩の顔があったのだ!
私は恥ずかしくなって思わず顔を引いた。
は、早川先輩と(しかも裸の!)二人っきりで、自分の部屋へ居るなんて・・・そんな事が起きるなんて・・・!夢みたいだった。
「・・・・・・」
先輩の無防備な寝顔を見ているうちに、私はつい唇を近づけてしまった。
「老けたな、オイ」
突然先輩の声がした。目を開けると、眉間に皺を寄せている先輩が見詰めていた。
「え?老けた?」
何言ってんの?と私は思った。老けただなんて、この女子高生の私に。
その時、阿古屋さんの言葉が甦ってきた。
「あなたの若さを頂くわよ」
「———!!」
慌てて私は洗面所へ駆け込んだ。
そして唖然としてしまった。
そこに映っているのは、白髪頭で、目尻、口元に皺のよった老婆だったのだ。
ギャ〜〜〜!!!
声にならない声で叫んだ私は、阿古屋さんの言葉が本当だったことを思い知った。
阿古屋さんは本物の魔女だったのだ—!?
そう思うと私は恐怖で、
ギャ〜〜〜!!!!
とまた声にならない声を出した。
つづく