気がつくと、トラックは森の中を走っていた。
すでに辺りは暗くなり、月がでていた。
「・・・・・・」
車が止まると、そこは魔女阿古屋の屋敷だった。
私と先輩はそれぞれ朝吉の両肩に担がれ、屋敷の中へ入っていった。
どさりと床に投げ出されると、そこには高校の制服を着ている若返った阿古屋がいた!スカート丈はおもいっきり短かかった。
手にはチョコバー、耳にはヘッドホーンをして、ノリノリで踊っていた。
朝吉が怒鳴った。
「なんだよ、これは!?人肉を頼んだら、これか?ババアと、腐りかけか?あぁ?」
阿古屋さんは、ヘッドホーンを外すと、朝吉を見て、私たちを見た。そして、
「いいじゃない!これでも苦労したのよー。大丈夫。年取った方がダシが出るって。それに腐りかけの方がもっとおいしいって」と言った。
おい、おい・・・!冗談じゃないよ。私らを食うつもりかあ・・・!?こいつら。
「犬猫じゃあもう客は満足しねぇんだよ!俺の店は珍味で売ってんだからよ。人肉饅頭ぐれぇじゃねぇと」
文句を言う朝吉に、阿古屋は口を尖らせた。
「とりあえず味見してから、そんなことお言いよッ!」
「分かったよ、しょうがねぇな・・・」
ぶつぶつ言いながらも、朝吉はお湯の張った大きな釜に、下から火を燃やし始めた。
つづく