私は先輩を貫いた魔法の杖を引き抜いて、高々と掲げた。
「あ、それは―」
阿古屋の顔が青ざめた。
私は大きな声で叫んだ。
「エコー エコー アッサラー!」
風が強くなり、窓ガラスがガタガタ揺れ始めた。
「エコー エコー ゾメラク!」
大釜を茹でている火が大きくなり、天井近くまで燃え上がった。
「あ・・・!」
阿古屋は壁にしがみついた。
「エオ エオ エアオーッ!」
その時、窓ガラスがバリン!と割れ、強い風が部屋の中へ入ってきて、室内の物が風に吹き飛ばされた。そして強風に煽られた火がカーテンに燃え移り、部屋の中が真っ赤になっていった。
私は涙を流しながら、杖を阿古屋に振り上げた。
「先輩の仇、エア エア エアオーッ!」
「ぎゃ~~~!!」
阿古屋の叫び声が聞こえたかと思うと、突如、目の前が暗くなり、
と同時に私は気を失った。
つづく