先輩はあの火事のときに、燃え尽きてドクロだけになってしまった。
そして煤だらけの黒いドクロになってしまったにも関わらず、まだ生きていた!
だから私が机に向って宿題をしていると、スタンドの上から「ケケケ」と笑い声を立て、「そこ、間違っているぞ!」とダメだしをしたりする。
そして、そこからぴょんと飛び降りて、
「だから、違うっていってんだろッ!」
と言いながら今度はペンを持つ私の指に噛み付いたりするのだ。
「・・・・・・」
今もドクロだけになった先輩は、私の肩に乗っている。
そして一緒にテレビをみているのだ。
先輩はお笑い芸人のコントにガハハと笑い、「おい、メシはまだか」と言う。
「・・・・・・」
私はこんな先輩にまとわりつかれ、これから一体どうしようか・・・
と悩んでいるのだった。
終