こんにちは。
パモン堂です。
前回の続きです。
夫が、うつ病の薬を服用するようになってから、
我が家は崩壊の危機に瀕していました。
夫が〝真夜中のシンデレラ〟ならぬ、暴れ回るモンスターに変容したからです。
それを毎晩毎晩、制止するのが、私の役目で・・・
そして、へとへとになってしまいました。
そんな中で、息子に異変が起きるのです。
↓
(中略)
そうしてその日から、リョーヘイの力が尽きるまで、毎晩のようにナナコはリョーヘイの身体に乗って押さえつけていなければならなくなった。
しかも近所迷惑にならないように、声は出さずに、無言のままでやらなければならない。
激しく抵抗するリョーヘイの身体を右へ左へ追いながら、それは時には半時間以上にも及ぶ格闘となった。
あまりにも疲れている時は、ナナコはいつの間にかリョーヘイの身体の上で眠ってしまうという事もあった。
ようやく静かになると、ナナコは深い溜息をつく。そしてリョーヘイの身体から身を起こすのだが、いつの間にか全身からは汗が噴き出しているのだった。
「……」
そうして、痛む腕を気にしつつ、自分の布団へ滑り込むのが常だった。
ツトムは気づく時もあれば、気づかない時もある。
けれどナナコは毎回ツトムの寝顔を確認した。
眠っていればよし。
けれど時々ツトムは寝た振りをした。
ツトムにはそういうところがある。
気づいているのに気づかない振り。
それはツトムなりのナナコへの気遣いだったのだと思う。
何が起こっているのか聞きたいけれど聞けないという、彼なりのジレンマ……。ナナコにはそんなツトムの気持ちが痛いほど分かっていた。
ナナコだってもちろん、ツトムに答えてあげたいが、毎晩、それも何故か判で押したかのように、きっかり十二時を回ると別人になってしまう夫を、どう解釈していいのか分からなかったのだ。
どうすればいいのか見当もつかなかった。
ただただ手をこまねいて見ているだけしかなかった。
布団の中に潜り込ん寝ているツトムの顔を確認しながら、ナナコは、小さく溜息をついた。
一体どうすればいいのだろう、どうすれば……。
だが、いくら考えても答えは出てこずに、ただ時計の音だけが虚しく響くのだった。
「にゃん太を探して」より
↑
このような惨劇が毎晩のように起こっていた訳です。
あの頃の事を考えると、不思議です。
一体、毎日、どのように過ごしていたのか・・・。
若かったから、乗り切れたのであって、今なら
無理だったでしょう。
体力に任せて、毎晩毎晩、大の男を押さえつけなければなりませんでした。
私が瘦せっぽちだったら、無理だったでしょうが、
幸い、当時の私は、軽く70キロ越えをしていたので、
体力負けしませんでした。
でも、体力的にはなんとかなっても、精神的にはどんどん、どんどん追いつめられていったのです。
つづく
醜い大女が仇討ちに出るお話。
実は・・・巨漢は、自分がモデルです。(^^;)