病院へ行こう3
2007-12-15 00:13:24
テーマ:日々つつがなし・・・
夫と共に、久しぶりに訪ねた精神科の医者は、
気力のあるきびきびとした人だった。
家族が一緒に来た事に、嫌な顔をせずに、
診察室に迎え入れてくれた。
私はしばらく夫が医者と話すのを聞いていた。
夫が
「寝ようと思えばいつまででも寝られるんです」
と言っているを聞いて、
ああ・・・そう言えば、いつまでも部屋から出て来ない
ことがあるなあ・・・。
ああいう時は調子が悪いのか・・・?
と改めて思った。
新鮮だった。
そんな風に感じたことがなかったからだ。
いつもは、「またか・・・」と思うだけだからだ。
さすがに怠け者だから・・・とは
思わなくなったけれど、
やる事が何も無くて、やる気がおきないのか?
と思っていたからだ。
だから、しょうがないなあ~・・・と。
だが、夫は1日1日体調が違うのだ。
(やる気の問題ではない)
同じ日はないのだ・・・ということに、
気づかされた。
(これも一緒に病院へ行ったからだ。
診察室に入らなければ分からなかった事だ。
夫は、そんな細かいことまで
家族に話すような人ではないのだから・・・)
夫との話が終ると、夫には外へ出てもらい、
医師と二人で話すことになった。
私が聞きたかった事は、おそらくたくさんあったのだと
おもうけれど、やはり一番は、「今はどんな状態なのか?」と
いうことだった。
医者が言うには、まだ休みが必要だろうと言うことだった。
だいぶよくなってはいるけれど、それでも本人の中に、
会社に行くということが、引っ掛かっているようだというのだ。
・・・う~ん・・・そうだろうな・・・。
夫は心底会社が嫌なようだ。
私は、夫の状態が一時期非常に悪かった事を話した。
まさか・・・!?そんな・・・?
と医者は笑った。
信じられないという感じだった。
そうだろうなあ・・・。
と私は思った。
もう何度こんな目で見られたことか・・・。
夫は非常に見た目が、柔らかいのだ。
穏やかな人に見えるのだ。
それが周りの人に誤解を招くのだ。
まさか・・・!?あんないい人が—?
うそ~・・・?
とまるでこちらが嘘を付いているように疑われる。
まあね・・・。
ジキル博士しかしらない人にはそうだろうな・・・と
いつも私としては悔しい思いをしているのだけれど・・・。
大体、本音や本性は身内しかしらないものだし、
言ってもしょうがないかなあ~、と諦めてはいる
(でも悔しい~)。
・・・しかし、医者にだけは伝えておかなければ、
誤診をされては困るではないか!?
いえ、本当です。
一時は私の方がノイローゼになっていたんです。
夫の暴言で・・・。
・・・・・・。
医師はようやく真顔になってくれた。
そして、薬がまた増えてしまった。
言わねばならぬ・・・と思っていたけれど、
注進してよかったのか、わるかったのか・・・
またまた悩む私。
実は、私は前から医師に頼みたいことがあったのだ。
それは、カウンセリングを受けさせて欲しいということだった。
夫は私が言うと嫌がるので、
(それと私が提案することには、
全て「NO」なので)
私からは勧められないのだ。
そこで、私は夫が信頼しているこの医師から
勧めてもらえないかと思っていたのだ。
前に一度、女医時代に、
カウンセリングを受けたことがあったのだが、
「自分には合わない」とすぐに止めてしまった。
地域のAAの集会にも通っていたが、
それもだいぶ前の話だ。
ただ、このAAの集会では、
参加者たちはみな自分と同じアルコール依存症の人たちなので、
話を聞くだけでもいろいろと感じることがあったようだ。
本当はうつ病患者の人と話ができるといいのだろうけれど、
なかなかそんな人も周りにはいないし、
いたとしても、おそらく夫は気乗りしないだろう。
そうなると、やはりここはプロのカウンセラーに
頼むしかないなあ~・・・と思っていたのだ。
しかし、医者は、う~んと唸って、
今はまだ薬で押さえている状態だから、
カウンセリングは無理ですよと言った。
あ~・・・そうなのか・・。
単純に誰かに思いを吐き出せたら、
良くなるのではないか・・・?と思っていた私は、
ことがそう単純ではないことに
また気づかされた。
なるほどね・・・。
結局はまだこの状態がしばらく続くということなのね。
↑
ただ、こう書くと、まるで理路整然と話しているようだけれど、
本当は、言いたい事、伝えたい事がたくさんあって・・
でも言葉が出て来なくて・・だからと言って果たしてどこまで
話していいものやら・・・と悩んだりしながら話しているので、
「何がいいたいの?」と医師に言われたりもした。
本当にね~。
家族の思いは複雑です。
気持ちばっかり焦ってしまって・・
でもまあ、今回主治医に会ってみて、
この人になら任せそうだし、
本来なら、もっと早くに会って、
一緒にチームとして、夫のうつ病と
戦っていかなければならなかったのに・・・
と思ってしまいました。
でも、これからは私も一緒に病院へ行って、
逐一話しを聞いてこようと思っています。
最近、私が思う事は、
夫って「うつ病」という“病”だったんだなあ~ということ。
そりゃ・・・頭では分かっていたんですよ。
なんか病気だってことは・・・。
ただそれが、今ひとつ分かりにくいというか・・・、
一見まともそうに見えるから、
こちらは普通だと思ってしまうんですね。
だから、「休んでいればそのうち治るわよ~」
なんて気軽に思ってしまう。
でも、これは大きな誤解、間違いだったんだなあ~・・・と
改めて感じています。
それと、ウチの夫の場合は、知り合った時から、
ずっとこんな調子だったので—
朝、起きて来ないとか、いつまでも寝ているとか—
その延長線上と考えていたんですね。
でも・・・もしかすると、
知り合った時から、もうすでにうつ病だったのかも・・・?
なーんて想像は尽きないのですが・・・。
病院からの帰り道、久しぶりに共通体験をした
私たちは、一気の病院での話しをして
盛り上がってしまいました。
帰ってきてからも話しは尽きず、
久しぶりに夫は前のように、
共感性もある、優しい人に戻っていました。
私はいつまでもこの“まとも”な
夫の方を捕まえておきたくて、
ずーっと話し続けていたような気がします。
また、ハイドにもどったら、
話しが出来なくなってしまう・・・。
だから今のうちに・・・。
そう思っていたのでしょう。
だから、ぐったり・・・疲れました。
休職したてのころには、
やたらと元気でジョギングを何時間もし続けていた夫。
↓
やりすぎて足を痛めてからは、家に引きこもり、
バンバン大きな音を立てては威嚇をはじめ・・・
↓
やがては、私や子どもにいちいち突っかかるようになり、
口撃開始・・・
↓
私の方が耐えきれなくなり、大喧嘩・・・。
そこでようやく大人しくなる。
ほんとうのうつ状態。うつうつしだす。
↓
現在、薬を大量に飲み続け、
大人しい人へ・・・
(じゃあ、薬が切れたらまた凶暴な人へ?)
・・・・・・。
分かりません。
でも、こうやって、少しずつ整理していこう、
と思っている私です。
とにかく、夫が“病気”だということに
気づいただけでも、今は大収穫という気がしています。