「申し訳ありません。あの、もしよろしければ、今までのご迷惑分をお支払いさせていただきたいのですが……」
ナナコはおそるおそる切り出してみた。
すると意外にもオノは、
「あ、いいんですよ、そんなつもりじゃあ」とあっさり言った。
「でも―」
と、申し訳なくてナナコが言いよどんでいると、
「実は、今日伺ったのは、お宅の猫ちゃんが、妊娠させた子猫のことでお話があったんですよ」と言うではないか!?
「えっ!?」
と言ったっきり、ナナコは絶句した。
ニャン太が妊娠? 誰を? 何を?
そして、子猫だとぉ……!?
ナナコはすっかり取り乱していた。
つづく