トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」41

その日の夜、夕食時にナナコがその話を持ち出すと、リョーヘイもツトムと「え!?」と言ったっきり、押し黙ってしまった。

ややあって、

 

「反対! 絶対反対」と口火を切ったのは、ツトムだった。

 

「そんなのダメだよ、そんなことしたらニャン太が可哀相だよ」

 

そう言っている先から、もう目が潤んでいる。

 

「俺も反対」

 

床に寝転んで日本酒をちびちび飲んでいたリョーヘイが投げやりな口調で言った。そして怒りを込めて、

 

「ニャン太には大いに他のメスたちを妊娠させて欲しいと思う。猫ライフを楽しんで欲しいと思う。それに手術費用はどうするんだよ、結構かかるぜ」と言った。

 

それについては、ナナコも頭を悩ませていた。前に見てもらった動物病院に電話して尋ねると、「通常は、二万五千円だけれど、割引して、二万円でいいよ」と言われた。随分大雑把な丼勘定で、大丈夫かな、ここ……? と不安になったが、あいにく近くに動物病院はここ一軒しかなかった。

 

「前にニャン太を見てもらったあの病院にね、聞いたら、二万五千円のところ、二万円でいいって言われたの」ナナコがそう言うと、リョーヘイは、憮然とした顔で押し黙った。ツトムはもはや泣きそうな声で抗議した。

 

「絶対、絶対、絶対、反対! そんなことしたらダメだよ、ニャン太が可哀相だよぉ。ニャン太はオスなんだよ、おチンチン取ったら、女になっちゃうよ」

 

おチンチンじゃなくて、取るのはタマタマの方なんだけれどね、とナナコは心の中でつっこみをいれた。

 

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つづく

 

母の日、お願い、にゃ~❤

 

 

 

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