とは言え、ナナコだって本当は、ニャン太の体にメスを入れるのは反対だった。
飼い主とは言え、人間の私達が勝手に彼の体を都合よく改造していい筈はないと思っていた。そんなことは本来許されないことだ。人間のエゴだと思う。
けれど、それは重々承知していながらも、それでもなお、ニャン太を外へ出していれば、こういうことは今後も起こるだろうと思った。
そうなれば、大家さんにだって、いずれはバレてしまうし、ニャン太自体を飼えなくなってしまう。今まで通り、こっそりニャン太を飼って、なおかつ、彼が自由に動き回れるようにしてあげるには、無用なトラブルは避けていかなければならないのだ―ナナコはそう考えていた。
ナナコの考えを聞いて、リョーヘイは、鼻白んだように、
「好きにすれば」と言った。
そして突き放すように、
「君の猫なんだから」と続けた。
「……」
リョーヘイは、今やすっかり人が変わってしまっていた。ナナコが何を相談しても、全ては投げやりで我関せずだった。
つづく