トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」51

踏んでも蹴っても叫んでも、どんなにナナコがアクションを起こそうが、リョーへイは岩のように頑として動かない。

 

ナナコは泣きそうになった。

 

一体、どうしたらこの人の心に届くのだろう。

何をどうしたらこの人の心は開くのだろう—。

 

そんな絶望的な気持ちになった。

 

やがてその思いが、憎しみへと変わったのだろうか、思わずナナコの蹴る力が強くなる。


すると、「痛ッ!」と突然リョーヘイが声を荒げた。

「痛いじゃないかッ、テメェ」そう言うと、布団から顔を出したリョーヘイが睨んでいた。

 

だが、ここでナナコも負けてはいられなかった。怯む気持ちを押さえながら強気で言った。

「早く起きてよ、もう昼だよ。ドライブに間に合わなくなっちゃうよ」

そう言うと素早く部屋を出た。これ以上居ると危険だった。

「うっせーな……」とまだ寝ぼけた声でぶつぶつ文句を言っていたリョーヘイだったが、ようやく寝室からは起き出す音が聞こえてきた。

 

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つづく