トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」91

しかし事態はそれだけで終わらなかったのだ。

夕方になると、決まって金田が家へやってくるようになったのだ。

ナナコはリョーヘイからきつく言われていたので、金田がいくら請求書を持ってきてもガンとして受け取らなかった。

 

「いえ、主人が居る時にお願いします」とか、「主人が帰ったら、お話に行くと思います」などとのらりくらりと交わしていたのだが、一向に埒が明かないことに業を煮やした金田は、時間を見計らっては毎日来るようになってしまった。

 

ナナコもこれには参ってしまい、リョーヘイに早急になんとかして欲しいと頼むのだが、「分かった、分かった」と言うだけで、何もしない。

 

仕方がないので、ナナコは金田が来ても居留守を使うようになってしまった。

だが、電気がついていてもドアを開けない明らかなシカトに、金田は心底頭にきてしまったようだ。

 

チャイムだけではなく、ドアをドンドンドンドンと力いっぱい叩くようになっていった。それでも出てこない時には悪態をつき始めた。

 

 

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つづく