トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」94

その夜、リョーヘイは久しぶりに荒れた。

もちろんナナコが帰ってきたリョーヘイに詰め寄ったからだ。

 

「金田さんは、あなたが待ってくれって言ったのに何もしないから、請求書を持ってきたって言っていたわよ、一体どういうこと」

 

ナナコの言葉に、リョーヘイは困惑した表情で首をかしげた。

 

「ええッ、何を言っているんだ。俺はそんなこと言っていないよ」

 

だがナナコは執拗に食い下がった。

 

「何故こうなる前になんとかしてくれなかったの? 何故放っておいたのよッ?」

 

でも、ナナコは本当はこう言いたかったのだ。

 

ナゼ アノヒトニ ワタシタチヲ オビエサセルノ?

ナゼ アナタハ ワタシタチヲ マモッテハ クレナイノ―と。

 

だが、ナナコの言葉にリョーヘイは激怒した。

 

「何故お前は、あいつの言う事を信用して、俺の事を信用しないんだッ! お前はあいつと俺のどっちを信用するんだよッ」

 

そうして、ものすごい勢いで頭を掻き毟ると、「もういいッ! そんなに俺が信用できないのなら、俺はもう手を引く。お前が全てやればいい。やってもいない車の傷の修理代をお前が払えばいいッ!」と怒鳴った。

 

「……」

 

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つづく