今日は不動産屋さんへ電話をしなければなりません。
とりあえず住む家を決めてから、夫には別居の話をしようと思っています。
私は、四日前に実家のある南の島から戻ったばかり。
そのひと月前に、父が倒れて、お盆があったので、
大学生の息子を連れて帰省していたのです。
父が倒れた時、たまたま私は実家におりました。
父は現在弟夫婦と一緒に暮らしていますが、
弟のお嫁さんが、娘の出産の手伝いのために、
家をしばらく留守にするというので、妹と交代で、
父の面倒をみることになっていたのです。
ところが、六月の末に、私が到着したその夜から、
なんと父が胸がつまると、苦しみはじめたのです。
私は慌てて、看護師をしている妹に電話をしました。
妹が言うには、「それは狭心症の発作だから、すぐに病院へ連れて行って!」
とのことで、私は、翌々日に病院へ連れていきました。
父は腎臓透析も週三日しているので心臓の血管が細くなり、
血管を広げるステントという器具を入れています。
しかし、その時、病院で検査をしてもらった時には異常がなく、
そのまま帰されたのですが、それからしばらくして、再び
夜中に何度も胸が苦しくなり、「こりゃ、いかん」と私は決断して、
救急外来で診てもらうことにしたのです。
入院してカテーテル検査をしてもらった結果、
以前、父の血管に入れたステント器具の手前の血管が細くなり、
そのせいで胸が苦しくなるのではないかと言われました。
そのステント治療を小さな島である私の実家の病院ではなく、
本土にある病院でしようと計画をしていた矢先に、
自宅で心筋梗塞の発作を起こしてしまったのです。
それから緊急でステント治療を行い、そのあと出血が止まらずに、
さらに肝臓のバルーン治療をしてもらったのでした。
ずっと、集中治療室にいた父は、一時は危篤状態に陥り、
担当のドクター自らが、東京にいる妹に電話をして、急遽
島へ来てもらう……などというハプニングがありながら、
父はなんとか生還したのでした。
父が大部屋へ戻ることになり、ちょうどその頃、
帰って来た弟のお嫁さんとバトンタッチをしてから、
私は関東へ戻ってきました。
生還したとは言え、まだまだ小康状態の父を残しておくことに、
後ろ髪を引かれながら……。
つづく