トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」52

空は晴れ渡っていた。風も気持ちよかった。


だが、この日のドライブは最悪だった。

不機嫌なリョーヘイは、一言も喋らずに黙って運転をしていた。

ナナコはその横で気まずく座っていた。

 

リョーヘイの運転は荒く、信号が多い道にも関わらず、前の車にピッタリ張りつき、相手にプレッシャーを掛けていた。

 

横から入ってくる車があると、所構わず、ピー、ピーと、クラクションを鳴らした。

 

「……」

 

リョーヘイはどんなに狭い道でもスピードを落とさず、急発進、急停止するものだから、その度に車はバウンドし、ナナコは気分が悪くなった。

 

一人ツトムだけは後ろの座席で、窓から顔を出し、風を楽しんでいた。

 

それは帰り道でのことだった。


混んでいる道を嫌ったリョーヘイが狭い路地へと入り込み、曲がりくねった住宅街の道を走っていた時だ。車は明らかにスピードを出しすぎていた。

 

両側から迫る庭の生け垣や竹藪などで前は見えず、時折バシッと車に当たる音がした。

 


「……」 

 

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つづく