トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」81

ナナコはその場に倒れそうになった。

せっかく連れて行ってもらおうと思ったのに。

ようやくこいつと別れられると思ったのに。またこんな化け物と一晩過ごせって言うの?

 


ナナコが呆然としていると、玄関で殊勝に正座していたリョーヘイが、突如として駐車場へ踊り出てきた。

 

「―!?」


ナナコが驚いて見ていると、リョーヘイは走り去るパトカーに向かって大きくアカンベーをして、親指を突き出すと、それを思いっきり下へ向けた。

 

そして、「やったー、やったー、ザマアミロー」と手を叩いて喜んだ。その姿を見ながらナナコはもう何も言えなかった。

 

警官もナナコもリョーヘイにすっかり騙されたのだ。

リョーヘイの勝利だった。ナナコは力なくその場に立ち尽くすしかなかった。

 

 

 

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つづく