トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」101

外へ出ると、木枯らしが吹いていた。思わずぶるっと震えたナナコはコートの襟をしっかりと立てて歩き出した。

 

気がつくと、いつの間にかため息が出て、「重い、重いよ」とつぶやいていた。

 

ナナコにはリョーヘイが重かったのだ。いつまで経っても自分で歩いてくれないリョーヘイが。いつまでも経っても背負って歩かなければならないリョーヘイが。

下ろしたいけれど、しっかり指が喰いこんでなかなか離れてくれないリョーヘイが……、限りなく重く感じられた。

 

「……」

 

ナナコは離婚も視野に入れていた。

 

家探しをしている時にも、ツトムと二人で暮らせる家を探したこともあった。

だが、女一人で自分の住む家を探すとなると、それまで愛想の良かった不動産屋の営業マンも突然態度を硬化させ、給与明細書を見せてくれなどと声高になるのだった。

 

パート勤めのナナコに借りられる部屋などある筈もなく、結局は諦めることになるのだが、それでもいつもナナコの中には迷いがあるのだった。

 

このままリョーヘイと暮らしていっていいのか?

それとも決断するべきなのか? と。

 

そんな答えの出ない堂々巡りに、体の中に冷たい風が吹き抜けるのだった。

 

ふいに、「ニャー」という声がした。驚いて振り返ると、いつの間にかニャン太が付いて来ていた。

 

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つづく

 

 

これ、知ってました?

大豆から出来たカルピス!

世の中だんだん、ビーガン的世界に近づいてきたんですね!?

 

すごい!!(*´ω`*)