トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

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「ニャン太を探して」108

ナナコは一瞬、リョーヘイが何を言っているのか分からなかった。

しかし、リョーヘイは続けた。

 

「家族の行事とかにも参加してないって言われてきただろう? 

参加したらしたで、不機嫌な顔しているとかなんとかって言われてさ。

だから、家族行事とかも今後一切参加しないことに決めたんだ。

これからは君たちだけで行ってくれよな。俺は絶対に行かないから」

 

それは実質、リョーヘイの家族決別宣言だった。

 

ナナコは何と言っていいのか分からず、混乱して、すぐさま言葉が出てこなかった。

 

「これからはお互い自立してやっていこう、な。だから俺の荷物はツトムの隣の部屋へ入れてくれ。俺は今日からあそこで一人で寝るから」

 

そう言うとリョーヘイはさっさと自分の荷物を、勝手に自分の部屋と称した洋室へと運び始めた。

 

「……」

 

ナナコは深いため息をついた。

 

またか、また始まってしまったか……。

 

しかし、ナナコはこの時までは楽観視していた。ああは言ったけれど、また落ち着けば元に戻るだろう、調子よく私の部屋へ来ては、

 

「ごめーん、あんなこと言って。許して」なんておどけた調子で言うだろうと思っていた。

 

だってせっかく家を買ったのだから、これからまた新しく三人で始めるのだから……。

 

だが、そんな予想はあっけなく覆された。

 

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つづく